施工と安全 / 玉掛け 3/5
吊り角度と張力角度が開くと、ワイヤはどれだけ重くなるか
同じ荷でも、吊り方しだいでワイヤ1本にかかる力は倍になります。
角度が開くほど、1本が重くなる
2本のワイヤで荷を吊るとき、2本のあいだの角度を吊り角度といいます。この角度が開くほど、1本のワイヤにかかる力は大きくなります。
| 吊り角度 | 1本にかかる力(真上に吊ったときを1とする) |
|---|---|
| 0° | 1.00倍 |
| 30° | 1.04倍 |
| 60° | 1.15倍 |
| 90° | 1.41倍 |
| 120° | 2.00倍 |
計算してみる
1本にかかる力は、(荷の重さ÷本数)×表の倍率で出せます。
2tの荷を2本で吊る場合、1本あたりは1t。吊り角度60°なら1t×1.15で1.15tです。これが120°まで開くと、1本に2t。ワイヤ1本で荷を丸ごと背負っているのと同じことになります。
目安は60°、開いても90°まで
吊り角度は60°以内を目安にします。国の事故防止の資料でも、原則として90°以内とされています。
角度が開くと、荷を内側へ締めつける力も強くなります。荷が傷んだり、ワイヤがずれたりする原因にもなります。角度を小さくしたいときは、長めのワイヤに替えるのがいちばん早い方法です。
試験とのつながり
- 1級建築施工管理技士 一次検定:クレーン・ゴンドラ
出典:国土交通省 近畿地方整備局「安全ニュースレター」(吊り角度)。倍率は1÷cos(吊り角度÷2)で計算。 数値は2026年10月時点で確認しています。